若手社員対談インタビュー
東京支社
VISUAL ARTS CROSS TALK
さまざまな経歴や国籍を持つ社員が集まる東京支社。
今回はその中でも若手を中心に、今のビジュアルアーツとこれから実現したい未来について語ってもらいました。
―――自己紹介をお願いいたします。
R.M.営業本部でマーケティングを担当しています。マーケティングという言葉の定義はすごく広いのですが、現在は当社のゲームをより多くの人に届けるための施策の立案・運用などをしています。
I.K.第二開発部でプランナーをしています。プランナーと言いながらなんでもやります。最近は進行管理のツールを開発したりしていました。
S.C.第二開発部でバックエンドエンジニアを担当してます。
T.M.第二開発部でディレクターをしています。
R.A.第一開発部音響チームで音響アシスタントをしています。主に『ヘブンバーンズレッド』(以下ヘブバン)の音声収録、整音(収録した音声からノイズなどを除去する作業)などを担当しています。
―――早速ですがビジュアルアーツに入社して驚かれたことはありますか?
T.M.入社してみての驚きということですと、作品がこれほど属人的に作られていたとは知りませんでした。もちろん『ヘブバン』というタイトルも、ビジュアルアーツという会社もKeyというブランドも知っていましたが、あらゆるものが細かくチェックされることには驚きました。ユーザーとしてはクオリティが明確に担保されるので信頼感が増しますが。スケジュールに関してもクオリティ重視なので、入社時はスケジュールに追われ、調整が大変でした(笑)。
R.M.すごいですよね。Keyに限らずその他のタイトルでも、ひとつひとつの行程をみんなで確認するんです。例えば、音楽が出来ました。ではみんなで聴いてみましょう。ここが気になる。というのを全員から意見を聞いて進めるという文化があって、本当に丁寧に作っているんだなって感動しました。
T.M.昔はもっと小さい規模で作っていたから、その場でみんな集まって決めた方が早かったんだと思います。今はだいぶ人数が増え、意見の統合が難しくなっている問題はあるように感じます。
R.M.クオリティの追及に余念がないんですよね。ただその作り方も変わりつつあって今はSteamでダウンロード販売したり、販売もワールドワイドで開発当初から海外移植も念頭に置いていたり、海外を強く意識しているなと感じます。
T.M.会社としても変革の必要性を感じていて、そのために新しいメンバーを多く採用しているのだと思います。
I.K.私のチームも同じように変わってきています。
R.M.体制を変えていこうとしているのを感じますよね。
I.K.入社時と比べて上司たちが変わろうと色々なことを学んだり、変化を模索している姿を見ることが増えました。最近新しく入社したプロデューサーとプロジェクトマネージャーはもっと大規模な制作をしていた会社の出身で、そういう作り方は今後規模が大きくなった時にチーム全員にビジョンを共有できる環境が作られてきていますね。
R.M.ビジョンの共有は大切ですよね。開発部署それぞれでカルチャーが違うし、大阪と東京でも違う。ビジョンをすり合わせるためのコミュニケーションが今後はさらに重要な気がします。
T.M.制作しやすくするというより、効率化の問題なのだと思います。これまでは開発を進めるにあたって、何をするかということが文章化されておらず、各人が自分でできるベストなスタンスで仕事を積み上げて、それが集まって形になるという作り方でした。ただ少人数だからできるやり方で、人数が増えると幾何級数的にコントロールが難しくなる。ですからそこの部分を明確化すれば、効率的になって制作のスピードが上がるし、クリエイターの方がより専念できるような環境になると思うんですよね。
I.K.進行管理だけでなく、情報の共有の仕方もそうですよね。漠然と意見を求めるのではなく、作るべき作品の目標を提示してそこに至るアイデアを出す方が効率的ではあります。
R.M.方向性としてはそうなんですが、何ごとも急に変えられないので、今のやり方を踏まえつつどう変えていくかを考えないといけないなと思います。すべての人が最大限のパフォーマンスを出せる環境を目指していきたいですね。
R.A.音響チームは今まで個人に作業が集中していましたが、現在では音声収録、台本やスケジュールの管理、ライブのサポートなどそれぞれ分担して動いています。
R.M.分業体制がめちゃくちゃしっかりしていますよね。
R.A.例えば、これまでは作曲家が整音までやっていたのですがそうではなく、作曲家がもっと集中できるように分担しようってなったんです。またどうしても上司の手が空かないと進められないものというのが出てくるので。僕らが上司の仕事を引き受けることでそれらが進んでユーザーへの還元になっていければいいなと。
S.C.バックエンドエンジニアは、サーバー構築をするわけですが、上司の希望を咀嚼して先回りして開発するような制作の仕方です。そもそも採用された時に、とあるゲームの企画が進行していて、そのために入社したと思っていたんですが、これからどんなゲームを作ろうかという0ベースの段階で驚きました(笑)。
I.K.Cさんの1か月前に僕が入社して、その時に進行していたゲームのレベルデザインとゲームバランス担当として採用されたんですが、企画が白紙になってしまったんです。そのためにアイディア出しのフェーズに戻されて、Cさんが入社したのがそのタイミングだったんです。
―――働いてみて、感じたことなどはありますか?
T.M.僕は第一開発部から第二開発部に異動になりましたが、当初は第一開発部の仕事をしつつ、第二開発部の手伝いをする形でした。その進めている企画がどんどん大きくなっていき、異動したという経緯です。プロジェクトごとに人材を融通する形が進むと、今後、第一、第二という枠組みではなく、タイトルごとにチームを組む体制になるかもしれません。
R.A.そうなると開発部同士の情報共有のシステムがあったら便利ですよね。
R.M.やりたいことをやらせていただける環境なので、裁量の大きさは実感しています。現在は新作ゲームの発売にあたって万全のマーケティング体制を築けるよう基盤作りをしているんですが、同時に生放送やラジオにも出ますし、イベントやグッズの企画もやります。上からこれをやってと言われることも少なくて、そういったところも裁量の大きさに繋がっているのかなと思います。
R.A.音響チームも裁量はありますが、チーム内のルールもしっかり決められているのでとても動きやすいです。
R.M.第二開発部はどうですか?
I.K.自由度の高いオーダーの中で開発しています。例えばバトルシステムを作ってくださいと言われて、わかりました何か考えます。という感じで。ある程度範囲的なものは決められていますが、その範囲の中、自分で考えて提案しています。
R.M.自分の考えが尊重されるのはいいですね。
I.K.プラットフォーマーを作りたいと言われて、それがどのようなプラットフォームかはわからない。それを考えてプロト版を作って社長に見せたりとか。細かい指示ではないからこそ自由にできる楽しさがあります。ただ、必ずしもそういった作り方に向いている人ばかりでもないので、今後そうならないようなシステムや具体化、言語化も目指してはいます。
R.M.現在はすごく自由度の高い、裁量がある中で働けているのですが、入社してみたら意外とシステマティックになっているかもしれない。今ちょうど変革期だと思うので。
―――今後ビジュアルアーツでやりたいことやビジョンなどありますか?
S.C.私はサーバーのコアを作るだけでなく、コンテンツも作りたいと思っています。自分の持っている技術的優位性をゲームに落とし込むのではなく、今後サーバーを使わないゲームが開発されることもあると考えています。そういったプログラムも学びたい。ゲームの面白さは必ずしも技術的優位性に裏付けされるものではありませんので。クライアントエンジニアとしての技術も学べるなら学んでみたいです。
R.M.2025年は周年を迎えるタイトルが非常に多く、さらには『anemoi』の発売や、『サマポケ』アニメの放送、インストゥルメンタルライブ、KSLライブなども予定していて、話題に事欠かない1年になりそうです。ただし、もちろんファンの方の盛り上がりあってこそのコンテンツだと思うので、しっかりそこの後押しができるようにこれから企画をガンガン出していきます!海外のファンの方も多くいらっしゃいますので、漏れなく全員に訴求できるような仕組みを考えていきたいです。また、最近だと新規のファンの方が『サマポケ』あるいは『ヘブバン』から入って、過去の作品をかいつまんでプレイするというスタイルも増えてきているみたいなので、ビジュアルアーツの作品全体を好きになってもらえるような動きや導線づくりも考えていかなきゃなと思っています。
R.A.せっかくなら全部遊びたいですよね。
I.K.すべてを見ることができるランチャーをSteam配信したり。
R.M.Key作品は25年前から展開しているので仕方ないのですが、ハードやプラットフォームによって発売されている、いないがわかりづらいので、その辺りを一度分かりやすくしたいと思います。
T.M.第二開発部はそれほど大きな動きはないかな。ちょっとずつ変わっていくんですが、大きく変わるところはないと思います。今は仕込みの時期ですね。
I.K.最低ひとつはβ版まで持っていけるといきたい! 開発を進めて精度を高めていきたいですね。
R.A.その時はデバッグやらせてください!
R.M.そういう時は全社挙げて一致団結するよね。古き良きゲームメーカーの文化ですが、そういう文化のもと一丸となれるのは強みですよね。
R.A.ビジュアルアーツは素敵な楽曲がたくさんあるので、何か活用して、ユーザーに喜んでもらえる機会を作りたいですね!
R.M.そういったアイデアをみんな心の中に抱えていますよね。何かしら新規事業に繋がりそうなことを色々考えていると思います。
R.A.そういうことをどんどんやっていきたいですよね。そこで生まれたリソースが他のところに割けるようになるので。
R.M.やれることは無限にありますね(笑)。Mさんが考えている新しいこととかはありますか?
T.M.もともと前職がコンテンツを使っていろいろやるという会社でした。ビジュアルアーツは強いコンテンツをたくさんもっていてそれが魅力で入社したところもあります。そこで何かできればなぁと。キャラクターコンテンツビジネスをやりたいというのは入社した時から思っていて、それは変わっていないですね。強力なIPをもっと活用して、より多くの方へと届けられればと思っています。
R.M.戦略的にIP展開を広げていきたいですね。そこを来年以降考えていかないといけないかな。
R.A.ユーザーのみなさまも求めていますよね、きっと。
T.M.そのコンテンツが好きな人に対して、さらにコンテンツを好きになってもらえるような状況にしたいなと。そういったことも含めてやった方がいいだろうなと。
R.M.せっかく素敵な作品がたくさんあるので、長く愛されるためにもいろいろ手を打たないといけないのが課題ですね。グッズだけでなく別の形も含めて模索していきたいですね。