グラフィッカ―ってどんな仕事?
グラフィッカーという職業、ご存じでしょうか。グラフィックデザイナーとも言われます。
絵を書いてる人? デザインをしてる人? イラストレイターではないの?
少しマイナーなお仕事かもしれません。
私も親戚のおじさんに、「就職したらしいのう。なんの仕事しとるんや?」と言われ丁寧に説明したのですが、次の年、親戚一同で集まった時、なぜかCADで図面引いてる人になってました。
というわけでまずはグラフィッカーという職業を簡単に説明しましょう。
昨今はTwitterをはじめとするSNS文化の発展により、CGイラストを描くことをお仕事にされているイラストレイターの方をよく目にすると思います。
そんな中グラフィッカーというのは、CGイラストの『彩色』を専門とするお仕事です。
ビジュアルアーツのゲームCGイラスト。
実は、線を描く人(原画家)と色を塗る人(グラフィッカー)で分かれて作られているのです。
原画家から黒いラインで書かれた白黒の線画が届き、それを彩色する……つまり簡単に言うと塗り絵です。
そうです。なんと大の大人が塗り絵をしてお金をもらっているのですよ!
なんてちょろい仕事! ……そう思いましたか? 奇遇ですね! 私もそう思っていました!! 最初は……
けど実はとても奥の深い大切なお仕事なんです。
例えばまずゲームを作るとします。
最初に文字で作られた物語ができます。
……いやまだ出来ていないかもしれません。
シナリオライターが死んだ魚の眼でこちらを見ています。
ここはとりあえずできたということにしておきましょう。
しかしここではまだ『形』がありません。
『きれいな夕焼け』と書かれていても、どんなきれいな色の夕焼けかはわかりません。
いろんなきれいな夕焼けが世の中にはあります。
『金髪のツインテール』と書かれていてもどんな金色なのかわかりません。
いろんな金髪のツインテールが世の中にはいます。まじで山ほどいます。
そこでグラフィッカーは時に物語を読み込んで、キャラクターの感情を理解し、シーンのBGMを聞き、シナリオライターやディレクターと相談しながら彩色をしていきます。
そうやって物語の1シーンやキャラクターを仕上げていく仕事です。
こう書くとその奥の深さ少し伝わったんじゃないでしょうか。
確かに、あまり名前が前に出るタイプの仕事ではありません。
親戚に説明するときに勘違いされてしまうかもしれません。
ただもし、あなたがこの会社に入って彩色したイベントCGはゲームを愛してくれた人の思い出に残ります。
あなたが配色を担当したキャラクターはゲーム内から飛び出して、ファンの誰かが書いた別の物語の中を歩いているかもしれません。
グラフィッカーとはそういう、空想の形がない物語やキャラクターに『色』という命を与えていく仕事です。
どうです?魅力的で面白そうでしょう!
ちょっとマイナーだけど誰かの心に残るCGを作る。
そんな『グラフィッカー』という仕事、私たちと一緒にやってみませんか?
PROFILE ―
yucchi
第一開発部 / Key ディレクター
2010年入社。『Rewrite』、『Angel Beats! -1st beat-』にグラフィッカーとして参加。『Summer Pockets』ではアシスタントディレクターも兼任。